役職定年後の働き方
会社に入社して黙々と働き努力して得る役職ポスト、最初のポストは班長職であったりリーダー職です。更に努力して係長職になり、やがてその実力と経験を買われて課長職に昇格し部長職や役員にまで昇りつめる方もいます
意気揚々と出世街道を突き進んでいる中で突如立ちはだかるものが「役職定年」という誠に不思議な制度です。この制度の狙いは若手抜擢で後進に道を譲ることであろうと思います
役職定年で折角掴んだポストを後輩に譲ることはとても辛いものがあり「ああ、俺の会社人生もこれまでか!」と嘆きたい気持ちでいっぱいになります。
しかし、ここで大事なことは、役職定年後の心の持ち方がその後の会社人生に大きく影響してくるので要注意ですが、なかなか前向きな気持ちにはなれないものです。そこでどうするか?
ちょっと美味しい珈琲を飲んでひと息入れましょう
役職定年の辞令が出たら、それは会社人生の大きな岐路だ!と思って1週間程度、会社に休暇をいただいて夫婦で旅行にでも出かけることです。ゆっくりと温泉につかり夫婦で美味しい地元の名物料理でもいただきながら、これまでの会社人生を語り合うことです。思い切って海外旅行をすることもいいかもしれません。これまでの奥様のご苦労をねぎらい、残されたこれからの会社人生を、そしてその後の人生をどう生きるか?夫婦二人で話し合うことです
岐路にぶち当たった時は、これまでの走りを止めて一旦立ち止まる事が大事です。役職定年の辞令を受け取ったらこれまでの会社人生を一旦リセットすることです。リセットすれば気分転換ができるし自分を見つめ直す機会にもなります
今の自分に何ができるのか?これからの会社人生、会社や職場に対しどんな貢献ができるのか?を考えることです。しかし考えてみると自分の今の能力では貢献できるものはなかなか見当たらないものです。でも嘆く必要はありません。そんな時は「謙虚な気持ちを持つ事」であり、謙虚な気持ちが役職定年後を生きるコツであると思います。謙虚な気持ちで仕事に取組み始めると不思議なことに今まで見えなかったものが見えてきて新しい仕事の対するやりがいが見つけられるのです。謙虚な気持ちを持つと言葉使いも変わってきますし感謝の気持ちも芽生えてきます。
「部長まで務められたあの方の仕事に対する姿勢、我々に対する対応はなかなかできないよね!凄いよね!」と思わせることです。そうすれば思わぬ仕事に就ける機会に出会えるかも知れません。後輩にカッコいい後ろ姿を見せることが次の仕事へ繋がる道ですね。この気持ちの切り替えがとても大事なことです。仕事も人生も終わり時が大事です!頑張りましょう!
定年再雇用、雇用延長後の働き方
私は現役時代に会社の定年再雇用の受け皿会社にいた事があります。定年再雇用者を受け入れて能力に応じて企業内請負や企業内派遣の職場に斡旋していました。当時は60歳定年制が一般的で、定年後は年金受給年齢までは定年再雇用として働く制度がありました。問題点は、定年再雇用者の給料が現役時代のほぼ半額になることです
これまでとほぼ同じような仕事をして給料が半分になるのだから不平不満がでてくるのは当たり前です。「給料が減ったんだから今まで通りに働かされてはたまらんわ!」という人もいたし、定年再雇用者になったのに、先輩ずらして後輩に偉そうな口を叩く人もいて、後輩からの苦情が多くありました。
一番始末に負えないのは、役員まで務めた人が役員職を降りて「嘱託職」になる人です。嘱託になったというのに、後輩の部長を捕まえて「お前!」呼ばわりしたり、大きな椅子に座って大きな顔をして意見を言うことです。加えて部課長を捕まえて「この件はこうしろ!ああしろ!」と命令口調でものを申す、こんな人が実に多くて、嘱託職は会社の大きなお荷物になっているのが実情であると思います。役員まで務めた人が会社人生の最後にあまりみっともない姿はさらけ出さないことです
定年再雇用者の心構えとしては、定年再雇用制度があるとはいえ定年再雇用されることは当たり前だと思わない事です。
ここで「当たり前と思う気持ち」を「感謝の気持ちに変える事」が大事な事なのです。年金支給年齢が引き上げられたのだから、会社は60歳以降も雇用するには当たり前と思わないことです。60歳を超えると体力も気力も減退していきます。だから60歳以降も働き続けることができることは、実は当たり前のことではなくて感謝すべき事なのです。ここをはき違えている人が実に多いものです。定年再雇用後の働く姿勢を後輩はよく見ています。現役時代にどんなに立派な仕事をする人であっても定年再雇用後の仕事に対する姿勢がいい加減なものであるとしたらその人の会社人生の評価はみっともないものになってしまいます。終わりよければすべてよしです。会社人生最後は感謝の気持ちを持って与えられた仕事に取り組みましょう!感謝の気持ちを持つと不平不満は消えていきます。会社人生の終わりを感謝の気持ちを持って過ごしましょう!
早期退職へ向けての準備、サイドビジネスへの挑戦
サイドビジネスへの挑戦
終身雇用制度も崩れてきて、定期昇給も保証されない昨今、サイドビジネスを奨励する企業も増えてきています。入社して10数年は与えられた業務を精一杯努めて、40歳台に入ったら副業を考えることです。折角の人生だからもう一つの人生を創る事はとても楽しいものです。今までの経験を生かした仕事であってもいいし、全く別の世界の仕事でもいいかも知れません。色んな副業にトライし、その中から自分らしい生き方を模索する事が大事なことです
早期退職へ向けての準備
色んな副業を経験して自分らしい中高齢時代の生き方が見つけられたら、早期退職を考えていいかもしれません。しかし早期退職となれば生活保障の問題もあるので夫婦でしっかり考えることが大事です
最近は、サイドビジネスや早期退職へ向けてのセミナーもあるのでそういったことの勉強も必要かと思います。私は60歳を機にサイドビジネスとして喫茶店を開業しました。50歳を過ぎた頃から退職後は何をしようかと夫婦で語り合いました。その頃は信州に住んでいたのでペンション経営もいいし、大好きな蕎麦屋もいいし、料理上手な妻の料理を出すお食事処もいいかなと思って、副業セミナーにも参加してイメージを膨らませていきました・・・
60歳定年後は関係会社へ転職し65歳まで会社勤めをして、その後は会社時代の経験も生かして研修・セミナー講師の仕事をしながら、妻と一緒に週3日間営業の喫茶店経営を今もやり続けています・・・
退職後の人生の迎え方
退職後の人生設計には時間を要します
定年退職まで仕事一途に頑張り通し、定年を間近かに控えた頃に「さあこれから何をしようかな?」と思っていたらもう手遅れです。定年退職後の人生設計には時間を要します。私の経験から言うと、退職の10年前の頃から少しづつ考え始める事が必要かと思います。企業では退職が近くなると年金受給説明会がありますが、これを早めに聞きに行って退職後の年金受給額を見て退職後の人生設計をすることです
私は60歳を機に妻と共同で喫茶店を開業しましたが、その準備には10年近くの年月を要していますイメージとしては、退職後は人様に使われる仕事はしたくないなあと思い、何か自営したいなあと思っていましたし、年金暮らしで悠々自適な生活もいやだなとい思っていました。宿泊飲食業の分野はどうなのかなと思いセミナーなどにも参加して情報収集しました。その頃から趣味の食器集めをし食事テーブルなどは飲食業でも使えるかなというイメージで買いそろえましたので喫茶店を開業した時はそれまで使っていたものをそのまま使えました。
定年後の人生の期間は20年以上もあるのでしっかり人生設計することをお勧めします。
自分の引き際は、雨が降ってからでは遅いのです。傘がいらないうちに帰らなくては!というイメージで事を進めることです
退職後の日常は、妻と協働が基本
会社を退職して毎日家にいるご主人の面倒を見なければならない奥様のご苦労!察するに余りあります。3食毎に「おい!メシ!」では奥様もたまりません。朝食を終えたらジムへ行ったりゴルフの練習に行ったり昔の会社仲間と飲み会に出かけたり、退職しても現役時代の意識を持ち続けているご主人が実に多いものです
収入も年金頼りになったのに、自意識だけは現役時代ではどうしようもありません。こんな人が年齢を重ねる毎に体力も減退しやがては病院通いの生活になってボケ老人になっていくのです
このようなことにならないためには、意識転換が必要です。まずは家事手伝いから始めて、家事協働までいけたらいいですね。この時注意すべき事は、家事のやり方は妻のやり方に完全に従うことです。妻には長年の経験から自分流の家事というものを確立しているのです。よくあるトラブルは自分流に家事をやってしまうことです。自分流にやってしまうと奥様から「もう頼みません!」と印籠を渡されるのです
現役時代は仕事最優先で家庭を顧みる事が殆どなかったので、リタイア後は妻との生活を楽しむ事に舵を切り替える事をお勧めします。そのためには、まずは妻のお役に立つところから頑張る事です。折角のご縁で一緒になったのだから、夫婦水いらずのゆったりとした日々を送る事もいいことですよ!リタイア後も夫婦別行動で楽しみも別々にというご夫婦が多いですが、一人よりも二人のほうが倍楽しいものですよ!
病気などで岐路を迎えた時の対処法
私の体験談
私は53歳の時に結核で半年間の長期療養することがありました。当時信州の工場で工場長という役職で仕事をしており、もう少し頑張れば役員ポストを得ることもありかなと思えるくらい意気揚々とした気分で仕事をしていました。そんな仕事盛りの真っ最中に仕事をリタイヤせざる得ない状況に陥りました。強制入院させられたベッドの中で落ち込んでいた私に、先輩や同僚から「さぞや無念なことでしょう!」という激励の手紙を沢山いただきました。その中である方から私のその後の仕事人生を大きく左右する手紙をいただきました。そこに書かれていたのは「中山さんのことだからさぞや楽しい入院生活を送られることでしょうね」というものでした。この手紙にハッと気づかされました。そうだ!落ち込んでいても何の解決策にもならない!この方の言われるように、これからの入院生活を思いっきり楽しんでみようと思い始まました。趣味を持つといいね!と言われていたこともあり、早速NHKの通信教育「植物画を学ぶ」に挑戦し、花の水彩画を描くことに挑戦しました。その趣味は20年後の今も続いています
再起には利他の心が大事
約半年間の入院生活では仕事の事は全く忘れて入院仲間とワイワイ楽しく過ごしました。そして半年が過ぎ退院時期が近づいた頃「退院したら仕事を探さないとね!」と思い始めていた時に、かつて勤めていた会社のある部署から「退院したらこちらへ来て
仕事をしないか?」というお誘いを受けました。その仕事は今までとは全く違う分野の仕事でしたが嬉しい思いでそのお誘いを受けました。退院後出社した部署には同期の上司がおり、その上にはかつて私にいい印象を持たれていなかった役員の方がいました。初めは複雑な思いもありましたが、気持ちの切り替えをしました。「そうだ!私を拾ってくれたこの人たちのお役に立つ働き方をしよう!」と思い新しい仕事に取り組み始めました。自分の感情を捨てお役に立つ生き方に舵を切ったことが自分をとても楽にしてくれました。利己から利他への気持ちの切り替えが私自身の肩の力を抜いてくれたように思います
振り返ると、あの時の長期療養による仕事面での長期離脱は、出世街道からは少し外れはしたものの、それ以上に掴み得た大事なものが沢山あったように思います。仕事一途の30年間は道の脇に生えている草花に目もくれずに人をかき分け人を押しのけ、色んな競争に明け暮れる日々でしたが、長期離脱後の日々は、暗い所にも目を向ける事ができるようになったし、弱い人にやさしい気持ちを振り向ける心の余裕のようなものが持てるようになったと思います。長期療養生活は私に右脳左脳の両方を働かせられる人間にしてくれたような気がしています
(付録として)困難な事態を回避するには
ワンマン社長、剛腕社長への処し方
これは岐路ではないですが、ワンマン社長や剛腕社長からの強烈な指示や厳しい指摘事項を上手に対応することは至難の業です。彼らは一般的に声も大きいし眼光も鋭いので怖さもあります。私もかつて現場に精通しつくした剛腕社長の下で仕事をしたことがあります。その方が工場視察される時は万全の準備をしてピリピリ緊張してお迎えしましたが、一旦工場視察が始まると準備していたこととは全く違う視点で「あれがダメ!」「これができていない!」のダメ出しの山になります。そんなことが続いたある日、次にお迎えする時は指摘される事をただ聞くだけでなく、先に見てほしい事や教えてほしい事を準備して臨みました。そんな形でお迎えしたら、こちらが説明することに熱心に耳を傾けて下さり、色んなご忠告をいただくことができ、お帰りの時には「よくやっているね!」というお言葉をいただくことができました
剛腕社長は言葉は、その行間を読むことが大事
ワンマン社長や剛腕社長の共通点は、強力な言葉を発しますがその言葉が短いことです。そんな社長の言葉だけを受けて止めて対応していると必ずダメ出しがあってお怒りを買うことになります。だから多くの方はできるだけ社長に接しないように工夫します。私はそんな社長の言葉を聞いた時は、その行間を読むようにしました。このご指摘は何なんだろうか?何を言いたいんだろうか?と考えて対応することにしました。そんなことを続けていたら「あいつだけはワシの言いたいことが判っている」と思われたのでしょう。以降その社長に怒鳴られる事はなくなりました。ワンマン社長や剛腕社長が発した言葉だけを対応していてはダメなのです
パワハラ/逆パワハラ/セクハラ/モラハラに対する処し方
これも岐路ではないですが、この問題にぶち当たったら、それはそれは大変苦しい思いをしなければなりません。これは岐路というよりも試練なのかもしれません。この試練の予防及び乗り越え方をお伝えします。
職場の和を乱す4つの要因があります
パワハラ:上司が部下へ、精神的、肉体的苦痛を与えること
逆パワハラ:部下が上司へ、精神的、肉体的苦痛を与えること(これが今、深刻な問題となっている)
セクハラ:性的ないやがらせ
モラハラ:いやがらせ、いじめ、仲間はずし
(これも深刻な問題となってきている)
この4つの事を防止するためには、予め職場のルールを作っておくことが大事です。職場のルールや規則、約束事もないのに「人間としての常識、規律面で問題だあ!」と叱ってはならないのです
職場の和やチームワークなど職場の規律を乱す行為に対しては、見て見ぬふりをしていると職場のモラルは大きく低下します。職場のルールを乱した時は厳しく叱る事が大事で絶対に放置しないことです
職場のモラルをルール化すること
■仕事をする上でのルール・守るべきモラルをきちっと作ること。「私たちの職場で大切にしたい事10ヶ条」のようなものを作る
■ミーティング場に大きく掲示し、毎日唱和する事です。問題が起った時に話すのではなくて普段から常に話すことが大事で、なぜ守らないといけないのかをしっかりと説明するこpとです。
■このルールを守らなかった時は厳しく注意する!叱る!
■これを見て見ぬふりをすると職場の規律は乱れ、成果が出なくなってくる
困難を乗り越えるには
トヨタの豊田章夫社長がテレビでこんな話をされていました。困難を乗り越えるには、
①問題が起こっても、ビックリして慌てない事、右往左往しないことです。コロナを見てもそうでしょう。コロナで右往左往しているのは人間だけで他の動物や植物はコロナでも普通に生きているでしょう
②一生懸命にやる事、全力でやる事
③ミスを恐れないでチャレンジする事
④迷う時は立ち止まってゲンチゲンブツで考える事
情報は現場にあり、現場には真実がある
⑤失敗を隠さない、嘘つかない、ごまかさない。正直に事実を話していく事が大事です
挫折を乗り越えるには、寄り添ってくれる上司や先輩、同僚や友人が必要です。自分に寄り添ってくれる仲間を作っておくことが挫折を乗り越える道なのです。陸上の山縣亮太選手はこんな話をされていました。「逆境の時こそ、自分を変える事です。自分を変える勇気を持つことです」そして困難にぶち当たったら、「絶対に乗り越えられる!」とポジティブに捉える事が大事なようです。命まで取られることはないんだから・・・
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