稲盛和夫さんはその著書の中でリーダーシップとはいかなるものかと述べられていますのでご紹介します。第一に「使命感を持つ」、第二に「目標を明確に描き、それを実現する」、第三に「新しいことに挑戦する」、第四に「信頼と尊敬を集める」、第五に「思いやりの心をもつ」と言われます。詳細を勉強したい方は、書店に沢山積まれている稲盛和夫さんのご本を読まれることをお勧めします。中でも「京セラフィロソフィ」はオススメです。稲盛和夫さんは現世の西郷隆盛をイメージさせる方で、私も大好きな経営者であり哲学者であり宗教家であると思います
ダーウィンの進化論を忘れるな!
≪ダーウィンの生物の進化論≫
強い種が生き残ったのではなく、
環境に対応し変化した種が生き残った!
企業も同じです。企業環境が大きく変わっていく中、伝統のある会社、大きな会社が生き残れる保証は全くありません。変わらないところは潰れていくのです!天下のトヨタさんと言えども「変わらないところは潰れていく!」という意識を強く持っています。ユニクロの柳井会長はかつて自社の新年会で「Change or Die」(変わるか、さもなくば死だ!)という厳しい言葉を発されたことがありました
企業が生き残るには、
変わる!変わり続ける!ことしか他に道はないのです。そのためには、まずは自分自身を変えていきましょう!自分の考え方や行動を変えていくこと!そうすれば、周りは変わってきます
そして、おのずと会社は変わっていくのです
会社を変えようと思うなら、先ずは会社トップが率先して変わるところから始めるしかありません!それが「変わる!」ための近道です。
私の企業研修でも、研修を通して社長の意識が変わった時点で会社は大きく変わり始めた!ということを何度も見てきました
危機感を醸成する
トヨタの強さは、危機伝承経営にあると思います
「危機感をもつ」ということは「不安をもつ!」という事ではありません!
「危機感を持つ」とは、慢心しないで常に努力を続けることです!不安は持たなくていいが、危機感は常に感じていることが大事です。
追い風を受けて進んでいる状態を勘違いしないことです!世の中の景気がいい時に経営がうまくいくのは当たり前の事で油断や慢心は禁物です。
危険と思っているうちは大丈夫です!なぜなら、危険、危機と思っている時は、色々な知恵が出てくるからです。「グランドキャニオンには柵がない!」という言葉があります。グランドキャニオンの崖っぷちには危険だからといって柵を設けたら人は油断して崖っぷちに近づき、柵の上にあがってふざけたりして崖から転落する危険が出てきます。柵がなければ人は危険を察知し、用心して崖に近寄るので崖から転落する人はいないのです
トヨタ奥田会長の言葉を引用します
会社なんて、いつ潰れるか判らない!
トヨタも、いつ買収されるか判らない!
そうゆう危機感を常に持っていないと駄目だ!
トヨタの豊田章一郎会長は
「慢心あれば、滅びが始まる」と言われています
時代認識力を身に付ける
危機感を醸成するには時代認識力を身に付けることです。時代認識力とは「時の風を読む!」ことです。時代認識力を身に付けるには、目線を内から外に向けて時の風をしっかり読むことです
目線を外に向けると心に刺激を受ける事ができます。目線を内にばかり向けていると井の中の蛙になってしまいます
目線を先に置くことです。目先ではなくて先を見ていく事が大事です。目先ばかりをみていると、あまり心配事は見えないが、先を見れば見るほどに心配事や不安事が増えてきます。それが会社経営のための良薬になるのです
時々は、ビジネス系のテレビ番組やYouTubeを見て「時の風」を受け止めましょう
(例)
TVの経済番組「カンブリアの宮殿、ガイアの夜明け、日経プラス10
ワールドビジネスサテライト、未来世紀ジパング 等々」から刺激を受ける事です
いずれもBSジャパンのオススメの経済番組です
武芸の技をビジネスに活かす
武芸では「読み」が大切と言われています。
「読み」とは「思い込み」ではなくて「相手が何をしようとしているかを考える事」だと言います
ビジネスにおいてもライバル会社が何をしようとしているのかを常に考えることが必要です
武芸では「殺気」を感じる事が大事だと言われます
「殺気」とは相手の気配を感じること、即ち「違和感」を感じる事が必要です。兆し、気づきを感じる力を身に付ける事です
ライバル会社と競争する時は、相手と力でぶつかり合うのではなくて、相手の弱い所を見つけて攻める事です。武芸ではこれを「はすに構える」と言います。「はす」とは「斜め」です
相手の弱い所は「はす」なのです。ライバル会社の「はす」を見つけることが競争に打ち勝つ秘訣のようです
合気道では、躊躇しないで相手の懐に入る技があります。相手が動く前に、相手の懐に入る事が大事なことです
相手がどんなに大きな力を持っていても、相手の懐に素早く入り込めば、勝機は見つかるものです
武芸には「体さばき」という基本の技があります。「体さばき」とは「相手の重心を崩す」ことです。ビジネスにおいても
競争会社の重心はどこにあるのかを見つけて、そこを切り崩すことが大事な事です
武芸における基本は、基本の技をしっかり身に付けていると、色んな場面で応用が効くと言われます
戦わずして勝つも大事な技のひとつです
何事も真剣に準備して臨めば、相手は戦意喪失して、戦うことを断念するそうです。先制防御が大事のようです
武芸には「先の先」という言葉があります。相手がしたい技を先手を取って封じ込める技です
基本の姿勢は良ければ、大きな力が出るそうです
基本ができた体から大きなエネルギーが生まれるようです
武芸では「力を入れる事」と「力を出す事」は違うといいます
どんなに強い力を入れても、なかなか力を出す事ができないものです。力を入れないで大きな力を出すコツを身に付けたいものですね
最後に、武芸の世界では、対戦する相手に敵意は持たないことが基本精神だといいます
ビジネスの世界においても、競争相手の会社に敵意を持って接することはやめたいものですね
一に「理念」、二に「ビジョン」、三に「志(こころざし)」
会社のトップが最低行うべき行為が三つありますが殆どの場合これを怠ってしまうことが多いのです。三つの行為とは、一に理念、二にビジョン、三に志、であることを忘れてはいけません。
利益向上のために
◆生産性向上活動をやる!
◆品質向上活動をやる!
◆コスト削減活動をやる! という前に、
理念とビジョンを明確に述べることが大事です
先行き不透明な時代だからこそ従業員がわくわくするような従業員が夢と希望が持てるメッセージを発信することが大事です。それが理念マネジメントなのです
一に「理念」とは、会社の存在意義や使命、経営目的を表したもので、自分は何の為に毎日働いているのか?会社の役割責任とは何かを明確にしたものです
二に「ビジョン」とは、自分たちはどこに向かって毎日頑張っているのか?を明確にしたものです。会社の将来像は?3年後、5年後、更に10年後の会社の姿を明確にしたものです
三に「活動スローガン」「活動の重点方針」とは、会社の将来ビジョンを達成するために注力すべき事は何なのか?「さあ、・・・に取り組もう!」そのために留意すべき事は何ですか?そして「自分たちの行動指針」とは何か?「トヨタウェイ」のような社員の行動指針を作る、社員が行き詰った時や迷った時、悩んだ時にどう考えればいいのか?どう行動すればいいのか?毎日をイキイキと働くにはどのように心掛けるといいのか?を表したものです
従業員がワクワク共感できる理念を作ろう!
一般的に「企業理念のイメージ」とは、次のようなものです
1.○○品の製造を通じ、社会に貢献する
2.会社は従業員と共に、存在し続ける
3.人間性の尊重
一に「理念」とは、会社の存在意義や使命、経営目的を表したもので、自分は何の為に毎日働いているのか?会社の役割責任とは何かを明確にしたものです。しかし、このような企業理念を見て社員の意識は紅葉するでしょうか?
企業理念とは社員の心を沸き立たせるものであるべきだと思います
JALの経営再建にあたって、稲盛和夫さんが最初にやったことは理念の再構築だったそうです!理念の冒頭には、顧客、社会の先に、従業員へのメッセージを語り、従業員のココロを鼓舞し、ベクトル合わせを進めたと言われています
(JALの企業理念)
JALグループは会社員の物心両面の幸福を追求し、
・お客様に最高にサービスを提供します
・企業価値を高め社会の進歩発展に貢献します
この理念は、我々の手で会社を再建するんだ!というJAL社員の心を湧き立たせる効果があったと言われています。この経営理念の考え方は、稲盛和夫さんが率いる経営塾「盛和会」会員の会社さんに引き継がれているそうです
企業理念の重要性
稲盛和夫さんが、経営再建したJALの経営理念は次の通りです
全社員の物心両面の幸福を追求し、
1.お客さまに最高のサービスを提供します
1.企業価値を高め社会の進歩発展に貢献します
実は、JAL再建に先立ってのこの経営理念は、当時いろいろと波紋を呼びました
会社や顧客の前に、社員(従業員)を先に出すのは如何なものかと!?・・・・
その時の稲盛さんが言われたことは、
会社の発展や利益、お客様へのサービスや顧客への貢献(配当)というものは、全てが社員の力なくしては成り立たないものです。
社員を発奮させ社員が頑張るには、社員の物心両面の幸せが大前提である・・と
ここに企業理念があるべき姿があるように思います。会社の理念をもう一度見直す事も経営強化の面で大切な事ではないかと思います
JALのインターネットを読むと次のような事が書いてあります
JALグループに集う経営陣を含めた社員一人ひとりは日々人生や生活をかけて懸命に働いています。その私たち社員が「JALで働いていてよかった」と思えるような企業を目指さなければ、お客さまに最高のサービスを提供することもできませんし、企業価値を高めて社会に貢献することもできません。そのような考えに基づいて、企業理念の冒頭に「全社員の物心両面の幸福を追求する」と掲げています
従って、私たちは経済的な安定や豊かさに加えて仕事に対する誇り、働きがい、生きがいといった人間の心の豊かさを求めていくとともに、心をひとつにして一致団結し、お客さまに最高のサービスを提供できるよう必死の努力をしていかなければなりません
次に「お客さまに最高のサービスを提供する」とありますが、これはお客さまに世界一の安全性、定時性、快適性、利便性を提供するということを意味しています
最後に「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献する」とありますが、これは私たち全社員が強い採算意識と不屈不撓の精神をもち、公明正大な方法で努力を重ねて利益を上げ、株主配当、納税、社会貢献等を行うことにより社会の一員としての責任を果たすということを意味しています
ただ、注意すべきことは、
「理念」を飾りにしないで、常に話していく事が大事です。
社員に対し、繰り返し繰り返し「理念」を話していき、社員の心の中へ「理念」を刷り込んでいく事がとても大事なことです
夢とビジョンで社員の心に火を付けよう
日本電産の永守会長の言葉です
夢とビジョンを作り部下に語り続けていくことで部下の心に火を付ける事ができます
リーダーは「夢・ビジョン」を作りその「夢」を部下に語っていくのが第一の仕事です
1年後、3年後、5年後、そして10年後にこんな会社にしたい!こんな職場をつくりたい!
という夢を常に持ち続けることです!
リーダーは高い志や目標を持つことです!
リーダーが高い目標を示さない限り部下の誰も熱狂的に仕事をしてくれない!
手段が目的化する
手段が目的化している事がよく見受けられます。生産性向上活動をやる!品質向上活動をやる! コスト削減活動をやる!といっているが、これは○○を実現するための手段であり目的ではないのです。これらの改善活動は、何の目的でやるのか?目的が明確でない手段は長続きせず、やらされ感がつのるものです。手段ばかり議論し実行するだけでは、社員が一丸となり持続的な成長は望めません
ワクワクする物語を作ろう!
従業員がワクワクするような夢と希望が持てるメッセージを発信することが大事なのです。多くの会社でビジョンと手段が混在し手段の目的化が平然となされています。仕掛品を○○百万円に削減します。利益を○○百万円にします。これは戦略とは似て非なるものです。夢、ビジョンとは「ワクワクする物語」なのです。リーダーが語る戦略とは、聞く人をワクワクさせるものであるべきです。戦略なき工場経営は従業員を迷わせ悩ませ、会社(工場)は停滞し迷走していくのです
終わりから始める経営を実践しよう
「プロフェッショナル・マネジャー」ハロルド・ジェニーン著より引用し編集しています
経営はまず結論ありき“終わりから始める”経営を実践すること。経営の秘訣は、まず目標を設定し「逆算」せよ!まずは高い志や目標を持て!ところが、経営者の中には努力すれば成果はついてくると単純に思われている方や一つずつ課題を解決する努力を積み上げていけば結論が出る!と言われる方が非常に多い。だが努力してもその方向性が間違っていたら結論は得られない。一歩一歩積み上げてやっても、10回繰り返せば10歩だけ歩んだことにはなるが、目指すべき目標や何らかの結論は見えてこない
ターゲットを決める仕事術
柳井正の希望を持とう 柳井正著(朝日新書)より引用しています
何かを実行しようと思ったら、最終的な目的や目標を最初に明示しない限り行動は起せない。
ユニクロの柳井会長は、23歳で親から引き継いだそうです。そして「山口の小郡商事」という小さな田舎の洋服店を「今までにない革新的な企業にしたい!」と思い、「世界一のカジュアルチェーンになる!」と言い始めた。そのためにはまず「100店舗の達成と株式公開!」を達成し次に「日本一のカジュアルチェーンになる!」と決めた。自分が可能だと信じたからこそ社員も「やろう!」と思い、結果として夢を実現した
ソフトバンク孫正義「リーダーのための意思決定の極意」より引用します
山を登り始めたときには、山頂の景色は見えない!頂上に登ってはじめて下界の景色が見える!町全体の景色が見える!
ビジョンを持つということは、山に登る前から、頂上の景色がどんなものだろうかと想像することである!
リーダーは、自分が登るべき山を決めなければならない!
ビジョンなんて、急には思い浮かばない!普段から考えて、考えて、練り上げていくものである!ビジョンを2-3日で作りあげてはいけない!ましてや、ビジョンのないリーダーは、リーダーの資格がない!
大分県出身の教育家:後藤静香の詩「第一歩」より抜粋します
十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも、覚悟が違う
三笠山にのぼる第一歩
富士山にのぼる第一歩
同じ一歩でも、覚悟が違う
どこまで行くつもりなのか
どこまでのぼるつもりなのか
目標が、その日その日を支配する
1年後、3年後に、どんな会社にするのか?どんな職場にしたいのか?が明確になってくると、今やるべきことがはっきりと見えてくる!
働き方改革とは
仕事への充実感や達成感など仕事に熱意を持って会社に貢献したいと思っている社員は全体の60%程度しかいないという統計があります。仕事に夢中になれるとか、活力がみなぎって仕事に取り組めている社員は全体の20%程度しかいないようです。
働き方改革の取り組みとして、労働時間短縮や有給休暇取得率向上に取り組んでいる会社もありますが果たしてこんな施策で働き甲斐は向上するものでしょうか?加えて上意下達や年功序列といった日本的な仕事風習もいまだに根強く残っている会社もあり、権限移譲が進まないという企業風土を打ち壊す事はなかなか難しいのが現実のようです。
働く事で幸せを感じる社員が多い会社では、売上高が10%以上も増加しているという統計もあります。働き方改革の推進は、会社と社員にとってWinWinの重要な施策でもあるので前向きに取り組んでいただきたいものです
会社の発展や利益、お客様へのサービスや顧客への貢献(配当)というものは、全てが社員の力(熱意)なくしては成り立たないものです。そのために会社の意思として、会社の企業理念の冒頭に「全社員の物心両面の幸福を追求する」と掲げることが大事ではないかと思います。経営に対する信頼度の向上、会社と社員の信頼関係の強化が何よりも大事な事のようです
私のホームページ「リーダー力向上WEBセミナー」の基本姿勢はここにあり、部下を上手に使うコツ、成果を出す職場を作るコツなどに流れる基本的な考え方はすべて働き方改革の施策であります。労働生産性向上ではヒトをコストと考えるのではなくて人財であるという考え方が大事であり、1人の100歩より100人の1歩、ヒトモノカネで一番大事なものは「ヒト」といった単元などは、すべて働き方改革の基本思想であるのです
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